昨年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(以下BOSJ)決勝戦で高橋ヒロムに敗れ、IWGPジュニア初戴冠はまだ先になるかと思っていたのが数ヶ月前。
ヒロムの負傷欠場によるタイトル返上というアクシデントをチャンスに変えたエル・デスペラードは、一躍時の人となりました。
2・25後楽園ホール大会でIWGPジュニアタッグ王者に輝くと、2・28大阪城ホール大会でIWGPジュニアヘビー級のベルトを初戴冠。
旗揚げ記念日大会でヘビー級の二冠王者のいい幸太とのタイトルマッチこそ負けしましたか、ジュニア王者として堂々の闘い振りに多くのファンが心揺さぶられたことでしょう。
灼熱の『旗揚げ記念日』!
デスペラードとの二冠王座戦にカミゴェで激勝!
飯伏が初代“IWGP世界ヘビー級王者”に!!
【3.4日本武道館結果】
★試合の詳細は新日本プロレス・スマホサイトで速報中!https://t.co/utPonoPLGw#njpw #njpw49th pic.twitter.com/TRTn7EYlsb
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) March 4, 2021
ライガーに叱咤されたデスペラード
飯伏とデスペラードの最後の二冠戦は旗揚げ記念日大会に相応しい贅沢なカードでしたが、全く異なる目線で試合を見ていたのはプロレス界にジュニアを確立した獣神サンダーライガーでした。
飯伏の余裕があるように見えた勝利に本気で悔しがり、デスペラードの闘い方にそれでは飯伏に勝てないと叱咤。
恐らく、ヘビー級のレスラーに勝ってヘビーのベルトを巻くというジュニアの永遠のテーマ実現に向け、デスペラードの闘いを見守っていたのでしょう。
自分にできなかったヘビー越えをデスペラードに託していたのかもしれません。
そのライガーの想いが伝わったデスペラードは、SNSで堂々とジュニアとしてヘビー越えを宣言しました。
こないだの解説でライガーが俺にだいぶ辛口だったのはJr.を長年引っ張ってきた・・・っつーか
Jr.を確立させた男だからこそ余計に俺に肩入れした結果だと観てて思った
最後の悔しいの一言が余計に
「Jr.のまんまヘビー級チャンピオンに勝つ」
俺がやってやろうじゃねえか#njpw
— El Desperado (@ElDesperado5) March 8, 2021
デスペラードが主役宣言
「Jr.のまんまヘビー級チャンピオンに勝つ」俺がやってやろうじゃねえか
ヒロムの長期欠場、二冠統一問題に対しファンからの反対意見など最近はネガティブな話題が先行していますが、このデスペラードの発言に驚喜したファンは私たけではないでしょう。
この宣言はライガーが越えられなかったジュニアの夢を背負うということであり、新日本の主役宣言でもあるでしょう。
ヒロムとデスペラードのいる新日ジュニアがある限り、新日本プロレスはますます面白くなると確信を持った瞬間でもありました。
二代目獣神サンダーライガーが必要と思う理由
前々から思っていたことですが、新日本には二代目獣神サンダーライガーと言える存在が必要だと思っています。
それは純粋にライガー二代目という後継者が出てきて欲しいという意味と、新日本という枠だけに収まらないジュニアを席巻するマスクマンが必要という意味です。
前者は額面通りライガーと同じ格好した二代目ライガーで本人の許可が必要ですが、後者は国内外問わずファンの圧倒的支持を得たマスクマンという存在。
BUSHIがたまに口にする『ライガーやタイガーマスクを超える存在』というのが、後者に当たるのでしょう。
実は数年前、今は無きプロレス団体の会場に観戦しに行ったとき、見慣れない日本人マスクマンが試合をしていました。
ぱっと見分かりやすいモチーフをコスチュームとリングネームにしていたマスクマンでしたが、会場にいた男の子からずっと声援を送られていたのです。
マスクを被ってるいるという特別感と分かり易さがその男の子に響いたのでしょうが、マスクマンには子供に好かれやすいというヒーロー特性があります。
今のデスペラードはヒールという枠を超えたダークヒーローであり、ジュニアの主役である高橋ヒロムの最大のライバルになりました。
デスペラードに二代目ライガーを継いで欲しいとは思いませんが、ライガーを超えるようなマスクマンになることも可能かもしれません。
チャンピオンの発言権
ヘビー級の2本のベルトは統一され、世界に目が向けられました。
ジュニアのベルトの価値を上げるため、デスペラードが伝説のマスクマンになるため、ジュニアが目を向けるべきは国内全ての団体なのかもしれません。
ヘビーでできないことでも、ジュニアならできることもあるでしょう。
強い者がチャンピオンであり、チャンピオンが言う言葉には説得力が生まれます。
チャンピオンになった今だから、デスペラードに言って欲しいことがあります。
それは、『スーパーJカップ』の国内開催の復活です。
他団体も巻き込み国内で最後に開催されたのが2016年。
あの時依頼、日本で開催されていないスーパーJカップですが、決戦の候補と言える舞台を見つけました。
『グランドスラム』と名が付き、2大スタジアム大会が開催されるということは、団体の枠を超えたトーナメント戦をする為の格好の舞台なのではないでしょうか。
【特報!】
なんと、新日本プロレスが5月15日(土)横浜スタジアムに初進出!さらに、5月29日(土)には東京ドーム大会が電撃決定!
大会名は『WRESTLE GRAND SLAM』!!https://t.co/y7wmRCorqS#njWGS #njpw49th pic.twitter.com/8Vgqa8FTD4
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) March 4, 2021
昨年、BOSJが中止と発表されたとき高橋ヒロムがこんな発言をしていました。
Who do you want to see in the BOSJ27?
今年の【BEST OF THE SUPER Jr.27】団体問わず誰に出場してほしいんだい?
教えて!ヒロムちゃん以外で。#njpw #njbosj #NJPWTogether— 高橋ヒロム / Hiromu Takahashi (@TIMEBOMB1105) May 12, 2020
2020年は叶わなかった他団体との交流戦ですが、今年なら可能かもしれません。
プロレスの力で日本を盛り上げる為にも、ジュニア王者の発言に期待したいと思います。