タイトルマッチと同等以上に重要な石森太二のシングルマッチ

石森太二【撮影:koba】
“独り言考察”




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スリングどんたく」シリーズの最初の山場と言ってもいい明日の後楽園ホール大会。

他のタイトルマッチの先陣を切って、メインイベントでNEVER無差別級選手権が行われます。

そして、本日後楽園で行われるのが最後の前哨戦でありスペシャルシングルマッチ3試合です。

 

タイトルマッチ前にスペシャルシングルマッチやスペシャルタッグマッチを行うことは往々にしてありますが、ヘビーの選手とジュニアの選手のシングルが組まれることは珍しいのではないでしょうか。

本日のセミファイナルに組まれた「後藤洋央紀 vs 石森太二」戦は、前哨戦以上の意味がある試合だと思っています。

 

ヘビー級にフォーカスされたシリーズ

 

約1ヶ月に及ぶ長いシリーズ「レスリングどんたく」ですが、期間中に殆どのタイトルマッチが行われます。

IWGP世界ヘビー級選手権、NEVER無差別級選手権、NEVER無差別6人タッグ選手権、 KOPW2021争奪戦、IWGPジュニアヘビー級選手権、IWGPジュニアタッグ選手権。

しかし、盛り沢山のタイトルマッチの前哨戦として該当するレスラーは、殆どヘビー級のレスラーです

現ジュニア王者のエル・デスペラードと挑戦者のYOHも、現ジュニアタッグ王者の SHOとリマッチする金丸義信も、前哨戦の殆どが第1試合か第2試合となっています。

この現状に対し、流石に現王者のデスペラードもSNSで言及しました。

 

試合順が優劣を表すものとは限りませんが、ジュニア同士のスペシャルシングルマッチやタッグマッチが組まれていないという現実が全てを物語っています。

 

唯一前哨戦でフォーカスされた石森太二

 

そんなヘビー偏重のシリーズにおいて、唯一前哨戦でフォーカスされたのが石森太二のスペシャルシングルマッチです。

NEVER無差別級6人タッグの前哨戦というだけでなく、どんな手を使っても後藤から3カウントを奪ったという結果を残したからでしょう。

ジュニアの選手に唯一フォーカスされた今夜の前哨戦は、石森が得たチャンス以上の様々な想いが宿ったスペシャルシングルマッチと言えます。

もし石森が言う『世界中の小さめ男子』がジュニアのレスラーも示す言葉なら、正しくジュニアのプライドを懸けた一戦になるでしょ

 

メインイベントを張れなかったジュニアのタイトルマッチ

 

「レスリングどんたく」シリーズ最終戦は福岡大会2連戦です。

もしかしたらジュニアヘビー級選手権が初日のメインを張るかと思いきや、福岡大会1日目のメインは棚橋弘至とジェイ・ホワイトとのNEVER無差別級選手権でした。

ジュニアのタイトルマッチは2日目のセミファイナル。

面子を見れば仕方ないという言葉で片付けられますが、石森にとっては悔しい現実でしょう。

デスペラードとのタイトルマッチを散々アピールしていたにも関わらず、今回の防衛戦では実現しませんでした。

 

保留にされた石森のタイトル挑戦。

もし初挑戦のYOHが勝てば、初防衛の相手に同じCHAOSの SHOを指名すると公言しています。

石森がタイトル挑戦の最前線に行くためには、今夜の後藤戦で結果とインパクトを残す必要があるでしょう。

ジュニア王者と石森に注目が集まれば、まだ対戦カードが決定していない5・15横浜スタジアム大会のメインイベントを飾ることも不可能ではないと思っています。

 

石森にとってNEVERの前哨戦以上の意味のあるスペシャルシングルマッチ。

他のジュニア戦士にとっても重要な試合となるでしょう。

セミの前には石井智宏と高橋裕二郎の試合があり、メインにはKENTAとYOSHI-HASHIの試合が組まれています。

この3試合でどの試合が一番印象を与えるのか。

世界中の小さめ男子に夢を与えるためにも、今夜の一戦はタイトルマッチと同等以上に重要な試合なんです。