なぜIWGPジュニアのタイトルマッチはセミじゃなかったのか?

YOH、エル・デスペラード【撮影:koba】
雑感




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カダカズチカと鷹木信悟のタイトルマッチは熾烈を極め、「ドミニオン」で最も激しく神々しい試合と言えました。

メインイベントに相応しい一戦であり、IWGPの真骨頂と言えるでしょう。

久しぶりのIWGP挑戦となったオカダは、負けはしたもののその存在感を存分に発揮。

初戴冠となった鷹木も、誰もが納得する試合内容でIWGP王者に相応しい選手と言えるのではないでしょうか。

流石、新日本プロレスの最高峰の闘いであり、ヘビー級のトップレスラー同士の闘いだったと舌を巻きました。

 

それでも心を揺さぶられたのはどの試合だったかと尋ねられたら、私は第3試合のIWGPジュニアヘビー級選手権と答えるでしょう

IWGP世界ヘビーが超人同士の闘いなら、IWGPジュニアは等身大の闘い。

等身大と言ってもジュニアをヘビーの下に見ているわけではなく、2人の感情を身近に感じられるという意味での等身大です。

 

なぜ、ジュニアのタイトルマッチに心を揺さぶたのか?

なぜ、エル・デスペラードとYOHの試合に感情移入できたのか?

その理由を振り返りたいと思います。

 

パートナーの成長と初めてとなるIWGPジュニア挑戦

 

昨年怪我で欠場となった期間は、本人が語った以上に焦りや悔しさがあったことでしょう。

パートナーのSHOはベストバウトを積み重ね、登場NEVERのベルトを保持していた鷹木とタイトルマッチも経験。

シングルプレイヤーとして確固たる支持を受け、自信を持って闘っていました。

 

そんなSHOを見て焦りや嫉妬、悔しさが湧かないはずはないでしょう。

復帰戦のIWGPジュニアタッグ選手権で勝利すると、勢いのままにエル・デスペラードの持つIWGPジュニアに挑戦表明。

まだ確固たる結果を残していない状況での挑戦に、批判的な声もあったと思います。

結果以上に内容が重要となった大阪城ホールの一戦は、パートナーの横に並ぶ為にも、新日ジュニアのトップグループに追いつく為にも重要な一戦でした。

 

暫定王者としての責任とセミファイナルなるから降格

 

ライバル高橋ヒロムの欠場で空位となったベルトを、3WAYで勝ち取りIWGPジュニアヘビー級王座に輝いたデスペラード。

念願のIWGPジュニア初戴冠にも関わらず、ヒロムから直接奪取していないことで自らを “暫定王者” と呼んでいました。

その暫定王者のデスペラードの初防衛が、復帰してまもないYOHとなったことで不安を感じたことでしょう。

チャンピオンである限り新日ジュニアの最高峰の闘いを見せる必要があります。

覚悟を持って臨む筈だってタイトルマッチは、セミファイナルではなく第4試合と発表されました。

試合順が試合の格を左右するものではないものの、この決定にチャンピオンとして動揺したことでしょう。

なぜ、自分の試合がセミじゃないんだと。

 

自分自身も新型コロナウイルス感染で病み上がり、軽症と言えども闘病生活を聞けば入院していてもおかしくない症状でした。

様々な不安と苛立ちと少しの楽しみを持って挑んだならず者の初防衛に、現実の自分を投影させたファンもいたのではないでしょうか。

苦労人同士のタイトルマッチは、多くのファンに見守られた一戦でもありました。

もし「覚悟の重さ」を測れたら、2人の覚悟の重さは一体何グラムだったのか。

 

大阪城ホールというビッグマッチでIWGPジュニアのタイトルマッチを闘うという覚悟を見せた、デスペラードとYOHの一戦。

オカダと鷹木の一戦の様な派手さは無かったものの、いろんなモノと闘う姿勢が見えた激闘だったのではないでしょうか。

2人の覚悟を持った闘いに、最大限の賛辞を贈りたいと思います。