不完全燃焼とも言える状況で、今年のG1クライマックスを制したオカダカズチカ。
リングの上でもう一度飯伏幸太と闘いたいと懇願しました。
右肩を脱臼してしまった飯伏は、これから精密検査を受け詳細は追って発表されるとのこと。
飯伏が復帰できるまでの間、4代目のIWGPヘビーのベルトを飯伏を待つ為の権利証として新日本に欲しいと要求しました。
これは一体どう言う意味なのか?
当初、このオカダの発言の意味が分からずにいましたが、一夜明け会見のその真意を知り理解することができました。
「飯伏幸太が封印した4代目IWGPヘビーのベルトを“権利証”という風にしてもらいたい。それを持って飯伏幸太を待ちたい」
『G1』覇者・オカダが菅林会長へ直談判!
10.22一夜明け会見の模様はコチラ!
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4代目IWGPヘビー級のベルトを権利証代わりにする意味
▪︎質疑応答 ――昨日、オカダ選手の口から4代目IWGPヘビー級ベルトについても言葉もありましたが、この発言についての見解をお願いできればと思います。 オカダ 『G1』を優勝したことですし、「また飯伏幸太と闘いたい」と、そういう繋がりじゃないですけど、そういうモノを持っていたいなと思いまして。まあ、『G1』チャンピオンではありますけど、モノとしては何も持っていないので、せめて飯伏幸太が封印した4代目IWGPのベルトをですね、べつにボクがいまからまた第何代IWGPヘビー級チャンピオンと名乗るつもりはなくて、ただそれを持って飯伏幸太を待ちたいということなので、いつもだったら権利証を持って闘っていくなかでそれを会社がOKなのであれば、それを4代目IWGPヘビーのベルトを権利証という風にしてもらいたいなと。 あらためて、ここでお願いしたいなと思いますし、会長もいるので会長にもOKかどうかをいま確認してもらえたらなと思うんですけども……。 ――菅林会長いかがでしょうか? オカダ いつもであれば、ブリーフケースに権利証を入れてるんですけど、ボクはやっぱり昨日ああいう形になって、飯伏幸太とまた闘いたいという気持ちもありますし、4代目を封印した飯伏幸太だからこそ、その証として権利証ではなくベルトを持たしてもらえたらなと思うんですけども……。 菅林 ……想いはお聞きしたので、ちょっと検討させてください。 オカダ わかりました。お願いします。まあ、それが権利証になるのであれば、昨日も優勝したあとにタマ・トンガが来ましたし、それを賭けて闘うっていうのもボクはいいんじゃないかなと思いますし、ボクはボクで“『G1』チャンピオン”として“IWGP世界ヘビー級チャンピオン”とは違う新日本プロレスの盛り上げ方をしていきたいなと思います。 ――オカダ選手のご意向としては、例年は挑戦権利証の代わりに4代目IWGPヘビー級ベルトを持って、IWGP世界ヘビー級チャンピオンと同等のリスクを負って闘うということでよろしいでしょうか? オカダ そうですね。なので、飯伏幸太と闘うまではそれをずっと……それがいつになるかわからないですけど、それをずっと持っていたいなと思ってます。 引用:新日本プロレス |
まず第一に4代目のIWGPヘビー級のベルトとは、4回目にリニューアルされたIWGPヘビーのベルトのことであり、世界ヘビーへの統一により封印された“あのベルト”のことです。
この会見でオカダは4代目のIWGPヘビーのベルトを権利証代わりにしたいと言いましたが、例年のブリーフケースの権利証とは決定的な違いを述べました。
通常なら東京ドーム大会という場所でIWGP世界ヘビー級王者と闘う権利ですが、オカダの言う権利とは飯伏が復帰する時までの『飯伏と闘うための証』ということです。
前者は場所とタイトルマッチに挑戦できる権利ですが、後者は時と特定の人物と闘うための権利と言えるでしょう。
今回の場合、4代目のIWGPヘビーのベルトはタイトルではなくベルトという“モノ”であり、権利証以上でもなけらば以下でもありません。
この考え方が必ずしも正しいとは思いませんが、私はこれで腑に落ちました。
2022年のレッスルキングダムはどうなるのか?
オカダの言い分は分かりましたが、この要求を会社側が承諾するかどうかは分かりません。
仮に承諾したとしても、オカダの要求と100%合致するとは限らないでしょう。
過去飯伏が2つのベルトの歴史も名前も残して統一したいとお願いした際も、結果IWGPとインターコンチのベルトは封印され新たなベルトが創設されました。
新日本プロレスがどう判断するか分かりませんが、来年の1月の東京ドーム大会ではIWGP世界ヘビー級選手権とオカダが臨む権利証争奪戦は、別々に行われると思っています。
恐らく1・4がIWGP世界ヘビー級選手権、1・5が4代目IWGPヘビー級ベルトを懸けた挑戦権争奪戦。
権利証がブリーフケースの紙ではなく旧デザインのベルトであるならば、東京ドーム大会のメインのカードでも不思議ではないでしょう。
IWGP王者のタイトルマッチではありませんが、IWGPヘビーのベルトを懸けた闘いになります。
飯伏との決着のゴールを設定したかったオカダ
なぜ、オカダは例年と違う形に拘ったのか?
恐らく、オカダの言う権利証は飯伏との優勝決定戦の続きをする為の闘いにしたいのでしょう。
G1の優勝決定戦という試合には勝ちましたが、飯伏との勝負は終まだわっていません。
かつて、IWGPヘビー級選手権でオカダと闘い急性硬膜下血腫により欠場し続けている柴田勝頼は、未だ復帰時期は未定のままです。
柴田の復帰を誰よりも待つオカダは、終わりの見えないゴールを4年以走り続けています。
だから、飯伏の復帰は終わりが見えるようにゴールを設定したかったのではないでしょうか?
リングの上で動けなくなった飯伏を、オカダはレフリーの次に近い位置で見つめていました。
痛みに耐え動けない飯伏を見て、すぐ異変に気付いたことでしょう。
レフリーが試合を止め表情が固まるオカダ。
コーナーに寄りかかって座ったまま暫く動けませんでした。
飯伏の負傷にショックを隠しきれなかったのかもしれません。
では、どの位動けなかったのか?
実に1分30秒以上、オカダは立ち上がることができませんでした。
約100秒もの間、動かなかったのか、動けなかったのか…
試合のダメージもあったでしょうが、目の前の現実が受け入れられなかったのかもしれません。
レインメーカーが選んだ道
G1チャンピオンであるオカダ選んだ道は、IWGP世界ヘビー級王者である鷹木とのタイトルマッチではなく、飯伏の復帰を待ち続けたいという別の道でした。
オカダの希望通りの要求が通るかどうか分かりませんが、飯伏の復帰を待つという希望が闘う活力となることでしょう。
ゴールが見えれば全力で走り続けることもできます。
奇抜なアイデアだったかもしれませんが、踏み出せばその後に自然と道ができるかもしれません。