ザック・セイバーJr.が語った絶賛勉強中な “あるコト”

ザック・セイバーJr.【撮影:koba】
真夏の祭典『 G1 CLIMAX 』




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28人、4リーグ制の今年のG1クライマックスは、1人あたりの公式戦が全6試合となります。

例年に比べ3試合少なく、仮に3敗すれば残り3勝しても勝率は5割。

恐らくリーグ戦1位のボーダーラインは4勝2敗以上で、開幕戦で勝つか負けるかはリーグ突破を左右する重要な一戦となります。

 

既に公式戦は8試合が行われ、8人の勝者と8人の敗者が生まれました。

中でも逆転勝利を奪い貴重な勝ち点を得たレスラーはザック・セイバーJr.と言えるでしょう。

試合終盤、容赦なく打撃を見舞ったKENTAは、自らフォールを解除。

もしフォールを解除していなければ、ザックは負けていたかもしれません。

NEW JAPAN CUP制覇に続き、G1クライマックス制覇を狙うザックにとっては、貴重な1勝となったことでしょう。

 

ザックにとって大センパイのKENTA

 

元々プロレスリング・ノア(以下NOAH)所属だったザックとKENTA。

2011年にイギリスでKENTAと闘うチャンスを得てNOAH入団に至ったザックは、当時KENTAに全く勝てなかった過去を明かしました。

『そうだ、クソ! KENTA、 あなたにはたくさん借りがある。2011年にNOAHのイギリス大会で、 俺はあなたの相手という人生最大のチャンスをもらった。 あれがあなたからボコボコにやられた最初の試合だった。
それから同じ結果が何度も何度も続いた。 でも、俺はあなたに負け続けても、NOAHドージョーに入った。 14歳のころから日本でプロレスラーになることが俺の夢だった。ここでプロレスをしたい気持ちはもちろんだが、同時にドージョーに入って肌で文化を学びたいと思っていた。
そしてドージョーに入ったはいいが、 それからも毎日毎日あなたにボコボコにやられた』引用:新日本プロレス

 

互いにNOAHから離れ別々の道を歩んだザックとKENTA。

数年後、まさかまた一緒の団体で相対することになろうとは、運命以外のなにものでもないでしょう。

それもこれも、ザックの少年時代からの夢を叶えるための努力の賜物なのかもしれません。

『だが、俺には昔から闘いたい場所があった。 14歳のころから、いま以上に痩せこけていたあのころから、俺はスクールカウンセラーにも 「将来ニュージャパン・プロレスに上がる」 って宣言してた。 当然、 笑われたけど。 だが、 俺はついにニュージャパンへ辿りついた。
最初の2年くらいはサビシイ気持ちもあった。 そしたら何が起こった!? オレのダイセンパイ、 コバヤシ (KENTA)さんがついにニュージャパンに現れた。 そして、すぐにその年の 「G1」で対戦した。 そのときもまた俺はボコボコにやられたよ。 でも、俺はいまこうして世界最高のテクニカルレスラーとなり、 今日あなたをタップアウトさせた、ダーリン』引用:新日本プロレス

 

近年、IWGPの頂きを手にした外国人レスラーは、ジェイ・ホワイトとウィル・オスプレイの2人のみ。

ザックはこれまで2度IWGPヘビーに挑戦していますが、あと一歩のところで戴冠を逃しています。

IWGP未戴冠レスラーの中で、最もIWGPヘビーに近い外国人レスラーと言えるでしょう。

G1を制せば自ずとIWGPの頂きに挑戦する権利を得ます。

 

特にコロナ禍以降の新日本へザックの貢献は、はかり知れません。

母国に帰らず日本で闘い続けたザックは、フルタイムで日本に移住するという選択をしました。

 

惜しみない努力を続けるザックは、現在“あるコト”を勉強しているとのこと。

『パンデミックが始まってからも、俺は日本に居続けることを選んだ。だってそれが俺の運命だったから。

普段は運命なんて信じないけど、これに限っては運命以外の言葉が見つからない。運命なんて信じるのは占い好きのバカくらいだけど。

最近、日本語の勉強を頑張ってるせいで、 英語のボキャブラリーが減ってきた。 でも、俺の運命はIWGP世界ヘビー級王者になることなんだ』

引用:新日本プロレス

 

単純かもしれませんが、外国人レスラーが日本語で想いを伝えてくれることは多大なるリスペクトを感じます。

かつて、外国人レスラーとして初のG1を制したケニー ・オメガは、一夜で多くのファンを魅了しました。

もしザックがG1を制した際のファンへの日本語メッセージを勉強しているとしたら…

 

ザックのいるBブロックは、他のブロック以上に実力が拮抗しています。

誰がリーグ1位になっても不思議ではないブロックですが、開幕戦を勝利したザックは有利と言えるでしょう。

ザックのリーグ最終戦の相手は、昨年のG1の一回戦で対戦した内藤哲也です。

これまで何度も対戦してきた内藤は、ザックにとって因縁の相手と言えます。

 

再び内藤に勝ち、優勝決定戦に辿り着くことができるのか。

日本語の勉強の成果を披露するなら、日本武道館大会の最終日が最も相応しい舞台となることでしょう。