G1の優勝決定戦で見せたグレート・オーカーンの献身

グレート・オーカーン【撮影:koba】
真夏の祭典『 G1 CLIMAX 』




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カダカズチカの2連覇で幕を閉じた2022年のG1クライマックス。

今年6回目となった日本武道館での大会は、6716人の動員を記録しました。

2022年のこれまでの日本武道館大会の動員が3000人前後だったことを考えると、それだけ今夏のG1の闘いが魅力的で、オカダカズチカとウィル・オスプレイの優勝決定戦に期待するファンも多かったのでしょう。

平日にも関わらず、コロナ禍の時代でこの動員数は、大成功と言えるのではないでしょうか。

旗揚げ50周年イヤーで、遂に新日本プロレスの逆襲が始まりました。

 

オカダとオスプレイの激闘でも目に付いたオーカーンの献身

 

オカダとオスプレイの激闘を、会場で固唾を飲んで見守った筆者。

カメラを構えるのも控え集中して観戦していましたが、それでも気になってしまったのがオスプレイのセコンドに付いたグレート・オーカーンの献身です

この日、ジェフ・コブ、アーロン・ヘナーレと3人でオスプレイのセコンドに付いたオーカーン。

入場時、帝国旗を運んでいたオーカーンは、オスプレイがコーナーに登った際には旗が背景に入るよう配慮を見せます。

 

試合中はマットを叩き鼓舞、オスプレイが場外に落とされた際にはTシャツを団扇代わりに使いクールダウンさせていました。

常に腰を落とし客席からの視界を遮らないよう配慮しながら。

 

オカダとオスプレイが場外で闘うたびに、近くに移動し仲間を応援するオーカーン。

さらに、オスプレイが鉄柵に投げられた際には、押された鉄柵を元の場所に戻していたり…

場外を縦横無尽に移動する姿は、まるでセコンドに付くヤングライオンの様な献身振りを発揮していました。

 

そして、何よりも印象に残ったのはオスプレイがオカダに敗れた後の落胆する姿です

落胆の様子はNJPW WORLDの映像にも映っていましたが、実は仲間とは距離を取りひとりでオスプレイの敗戦を噛み締めていました。

何度も何度も首を垂れて顔を覆い、場所を変えては俯き、まるで自分のことの様にショックを隠しきれない様子でした。

 

ユナイテッド・エンパイアと仲間を愛するが故に、感情を抑えきれず悲しみに暮れていたのでしょう。

プロレス以外の広報活動も、多くのファンにユナイテッド・エンパイアのG1優勝を披露するため。

リング内外で精力的に活動していただけに、仲間の誰よりもオスプレイの敗北に絶望を味わっていたオーカーン。

もしかしたら、オスプレイの敗戦にショックを受けていただけではなく、どうしたらエンパイアがもっと強くなれるのか、来年のG1で優勝するには何をすべきか想像していたのかもしれません。

 

今年のG1を2勝4敗という成績で終えたオーカーン。

成績こそ振るわなかったものの、その活躍は世界中に、いや魔界にまで届いていたのでしょう。

まさかまさか、あのグレート・ムタから最後の大阪大会のパートナーに指名が入りました。

 

プロレスリング・ノアの大会に初参戦が決まったオーカーンは、2022年下半期も団体、ジャンルに捉われず暴れまくることでしょう。

今以上に力を付け、来年こそG1トロフィーと優勝旗をエンパイアに持ち帰るため、オーカーンは休むことなく侵略し続けます。

侵略という名の献身はとどまるところを知りません。

オカダカズチカ、グレート・オーカーン【撮影:koba】