4年前に行われたケニー・オメガとウィル・オスプレイの因縁の始まり

ウィル・オスプレイ、ケニー・オメガ【撮影:koba】
備忘録




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AEWでケニー・オメガとウィル・オスプレイの試合が決まったことで、待望の一戦が見れると期待を膨らますファンも多いことでしょう。

現地時間の8月31日のAEWダイナマイトで行われるトリオ王座決定トーナメント準決勝を前にして、今週水曜に配信されたダイナマイトでは、オスプレイらの前にケニーとヤングバックスが現れました。

マイクを持ったケニーが挑発すると、オスプレイも自分の方が勝っていると反撃。

さらに、揚げ足を取ったケニーがオスプレイを揶揄しました。

なお、2人のやり取りの全貌の翻訳はこちらになります。

 

ケニーとオスプレイと言えば、世界中のプロレスファンが知るトップレスラーですが、新日本プロレス時代はライバル関係にまで発展することはありませんでした。

何度かタッグマッチで対戦したものの、私の記憶が正しければ新日本でのシングルマッチは実現していません。

オスプレイがヘビー級に転向したのは、2020年のコロナ禍以降であり、その時は既にケニーは主戦場をAEWに移していました。

世界最高峰のレスラーであるものの、新日本時代は表立った因縁があまりなかった2人。

勿論、急に因縁が生まれたわけではなく、どこかのタイミングでキッカケはあったんだと思います。

私が思うケニーとオスプレイの因縁のキッカケは、“あのタッグマッチ”が始まりだったのではないでしょうか。

 

ウィル・オスプレイ&石井智宏 vs 飯伏幸太&ケニー・オメガ

 

ケニーとオスプレイにとって始まりの物語となった試合は、2018年9月7日の後楽園ホール大会で行われたタッグマッチだと思っています。

私にとって2人の“物語の始まり”となった日。

ケニーが持っていたIWGPヘビー級王座に、挑戦する石井智宏の前哨戦として組まれたタッグマッチでした。

ケニーのパートナーはゴールデン☆ラヴァーズ再結成となった飯伏幸太。

石井は当時CHAOSだったオスプレイと組んでスペシャルタッグマッチに挑みました。

この頃、オスプレイはヘビー級転向を仄めかしており、いずれライバルになりうる存在としてケニーはオスプレイを査定していたかもしれません。

 

恐らく、試合を通し当時ジュニアだったオスプレイの才能を感じたのでしょう。

試合後、飯伏とオスプレイの攻防を讃えたものの、オスプレイに対してはまだまだと評価しました。

飯伏 「いやもう石井さんとケニーさん、凄かったです」
ケニー「ああ、センキュー、 イブシさん。 でも、イブシさんとオスプレイも凄かったですよ」
飯伏「オスプレイ、 気になりますよ」
ケニー「ああ、そうですか。 また試合したいですか?」
飯伏「試合、ちょっとしてみたいですね」
ケニー「ああ、そうですか。 でも、 まだわからないよね。まだ早い。 オスプレイはジュニアですよね。 イブシさんは何回、ジュニアヘビーのタイトルを取ったんですか?2回?」
飯伏 「3回。3回ですか?」
ケニー「3回だと思いますね」
飯伏 「4回だった」
ケニー「4回取って、 ジュニアタッグも取ったことがあるんです。『NEW JAPAN CUP』 も優勝した。 それで卒業ができたんですよ?オスプレイが 『体重増やしたからヘビ一級になりたいんですよ』、『シューティングスターができるからヘビー級になりたいんですよ』、 それ意味あるの?先にもっとがんばらないと、 ですよ。 まだ早い。イブシさんはどう思う?」
飯伏「そう思います」
ケニー「あ、ごめんなさい。 ちょっと言い過ぎたかもしれない。じゃあ、これで終わりにしょう。 (指でピストルの形にし、その指にキスをしながら) Goodbye、 みんな・・・・・・ ンマッ! Goodnight bang!!!」引用:新日本プロレス

 

この試合は私にとって2018年のベストバウトの1つと言える試合であり、ケニーがオスプレイを意識した日だと思っています。

そして、オスプレイが階級を転向するにあたり、ヘビー級のトップレベルを実感した1日になったことでしょう。

 

そして、もうひとつ忘れてならない試合が、同年の年内最後に行われた12・15後楽園ホール大会。

この日は棚橋弘至のパートナーとなったオスプレイが、メインイベントでゴールデン☆ラヴァーズと闘いました。

 

ケニーの1年と言っても過言ではなかった2018年。

オスプレイにとっても、ヘビー級転向への期待をファンに見せることができた1年だったと思います。

AEWトリオ王座決定トーナメントの決戦の前に、2人の因縁の始まりとも言える2試合をご覧になってはいかがでしょうか。