謎のVTRの正体が海外遠征中の辻陽太と上村優也ではないと思える理由

上村優也、辻陽太【撮影:koba】
備忘録




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NEW JAPAN CUP優勝決定戦が行われた長岡大会で突如流れた“謎のVTR映像”。

『何者かが』『ついに襲来』『標的は「JAPAN」』というキーワードが出ている点から、新たな選手が登場する可能性が高いでしょう。

未知の強者の登場なのか、海外遠征中の選手が凱旋帰国を果たすのか、それとも某団体の某レスラーが新日本に現れるのか、ファンの間では様々な憶測が広がっていました。

 

コロナ禍以降にファンになった方には馴染みが薄いかもしれませんが、謎のVTRといえば海外遠征中の選手が凱旋帰国してくる予告だったり、新加入選手の予告などに使われてきました。

恐らく、今回も同様のケースでしょう。

そして、先日の「SAKURA GENESIS 2023」両国国技館大会以降、謎のVTR映像がアップデートされご覧の様なキーワードが何回も表示されました。

『襲来』『破壊』『脅威』『暴走』『怪物』『覚醒』『接近中』『危険』

 

一向に謎のVTRの正体は分からない状況ですが、過去の謎のVTRを振り返れば何かが分かるかもしれません。

特にこの時期の謎のVTRに絞れば、どのような人物が登場するのか傾向が掴める可能性もあるでしょう。

ということで、近年春頃に大会中に流れた謎のVTRについて振り返ってみます

 

マスター・ワトの『Way to the Grand Master』

 

一番新しい謎のVTRと言えば、2020年のマスター・ワトの凱旋帰国である『Way to the Grand Master』でしょう。

この時の謎のVTRは非常にレアケースで、初めに映像が流れたのは土曜深夜放送の地上波番組「ワールドプロレスリング」でした。

6月13日 ワールドプロレスリングで謎のVTRが流れる

6月15日 NJPW WORLDの配信では初めてVTRが流れる

7月3日 BS朝日の「ワールドプロレスリングリターンズ」でライブ配信され、マスター・ワトが初登場

 

この時はボヤけながらもグランドマスターを目指す者の姿が写り、竹藪を走る姿、コスチューム、拳のアップ映像が映し出されています。

映像に沢山のヒントがあったことから、海外遠征中の川人拓来ではないかという予想が沢山飛び交っていました。

結果、多くのファンの予想通り川人が凱旋帰国を果たし、マスター・ワトとしてサプライズ登場しています。

 

一方で、ワトのケースはレアケースでしょう。

海外遠征の期間は2年半。

決してこの期間は短くありませんが、凱旋帰国時はまだ23歳でした。

あくまで推測に過ぎませんが、興行中止期間から無観客での大会再開の起爆剤として帰国したイレギュラーケースと思われます。

 

ジョン・モクスリーの『DEATH RIDERS』

 

2019年は同じ時期に2つの謎のVTRが流れました。

1つは5・3レスリングどんたくで流れた映像。

ジュース・ロビンソンがひとりリングに残る中、謎のVTRが流れ、最後に『2019年6月5日』という日程が映し出されました。

5月3日 会場で初めて映像が流れる

5月27日 ジョン・モクスリーが意味深ツイート

同日 新日本プロレス公式Twitterアカウントから謎のVTRの男の正体がジョン・モクスリーと明かされる

6月5日 当時USヘビー級王者のジュースとモクスリーとのタイトルマッチが行われる

 

異国の地と思われるBARで、DEATH RIDERSと入った革ジャンを着た男の後姿が映し出されました。

登場人物は複数人存在し、バーテンダー、バーでくつろぐ女性と顔にタトゥーが入った男性、そしてジュース・ロビンソンの試合を見るDEATH RIDERS。

『TIME’S UP(おまえは終わりだ)』のメッセージが流れ、ナイフと割れたビール便を持って歩くジーンズに革ジャンを着て歩く男。

そして、『2019年6月5日』の日付が映し出されます。

この時、テーブルにナイフで何らかの文字を刻んでいましたが、今思えばジョン・モクスリーのアルファベットの一部である“M”“X”を重ねて刻んでいたのでしょう。

 

様々な憶測が広がる中、5月27日に本人がDEATH RIDERSの動画をSNSに投稿し、同日新日本プロレス公式アカウントからもDEATH RIDERSの正体はジョン・モクスリーだと発表しました。

 

エル・ファンタズモの『A new member of BULLET CLUB?!』

 

2019年のもう一つの謎のVTRと言えば、バレットクラブのNEWメンバーとして加入したエル・ファンタズモです。

3月8日の後楽園ホールの試合と試合の間に流れた謎のVTRですが、偶然ホールに居合わせた筆者は驚きしかありませんでした。

 

映像にはサードロープを歩く姿、一瞬映った試合風景、派手なサングラスを掛けながらも顔は映し出され、正体を判別し易い作りになっていたと思います。

さらに映像の最後にはバレットクラブのシンボルも映し出され、同ユニットの新メンバーでほぼ確定と予想できました。

実際、この映像が流れる2日前にファンタズモはTwitterでベスト・オブ・ザ・スーパージュニア出場を示唆するようなツイートを投下。

プロレスファンの間では、謎のVTRの男の正体をファンタズモと予想する人が多かったように思います。

3月8日 後楽園ホールの大型ビジョンに謎のVTRが流れる

4月8日 5・4「レスリングどんたく」の対戦カードが発表され、石森太二のパートナーが“X”になることが判明

5月4日 石森のパートナーとしてエル・ファンタズモが新日マットに登場

 

石森太二の『BONESOLDIER WILL RETURN』

 

2018年4月13日の後楽園ホール大会の大型ビジョンに映し出されたスカルマスクと『BONESOLDEIR WILL RETURN』の文字。

ボーンソルジャーと言えば、2017年の東京ドーム大会出場を最後に消息不明になった元キャプテン・ニュージャパンというマスクマンです。

当時、この動画が流れた時はボーンソルジャー復帰説と、新たなボーンソルジャー登場説が推測されていたと朧げに覚えています。

謎のVTRには薄暗い森の中に浮かぶスカルマスク、バレットクラブのシンボル、飛んでいる白い鳩。

SNSではボーンソルジャー予想がかなり盛り上がっていました。

 

当時、バレットクラブはケニー・オメガとCodyのリーダー抗争の真っ只中。

後楽園大会で謎のVTRが流れた翌日、バッドラック・ファレが『この男はリーダー問題を解決できるかも』とツイートしていました。

それだけNEWボーンソルジャーはバレットクラブにとって重要人物と見ていたということでしょう。

 

同年、5月4日の「レスリングどんたく」福岡大会のIWGPジュニアヘビー級選手権後に、会場が暗転。

場内スクリーンに『BONESOLDEIR WILL RETURN』の文字が流れ、当時ジュニア王者だったウィル・オスプレイの元にタマ・トンガが登場しました。

タマに気を取られている間に、背後からスカルマスクがオスプレイを急襲。

バレットクラブの新メンバーとして登場したボーンソルジャーは、元プロレスリング・ノアの石森太二でした。

4月13日 後楽園ホールの大型ビジョンに謎のVTRが流れる

4月14日 ファレがSNSで『この男はリーダー問題を解決できるかも』とツイート

5月4日 バレットクラブの新メンバーとして石森太二が新日本に参戦

 

過去5年間の傾向と謎のVTRと「レスリングどんたく」の関連性

 

過去5年間を振り返りましたが、「レスリングどんたく」シリーズの時期に合わせて流された謎のVTRは2018年、2019年と2023年。

2018年と2019年に流れた謎のVTRは、「レスリングどんたく」で正体が明らかになっています。

この傾向を踏まえれば、5・3「レスリングどんたく」で謎のVTRの正体が登場する可能性は高いでしょう

 

2020年以降はコロナ禍の影響もあったのか、「レスリングどんたく」シリーズ中に謎のVTRが流れることはありませんでした。

ちなみに2022年はジュース・ロビンソンがヒールターンし、「レスリングどんたく」で当時NEVER王者だった棚橋弘至を急襲しています。

ここまでの情報を整理すると、「レスリングどんたく」でサプライズ登場したのはいずれもバレットクラブの新加入メンバー

3月、4月に流れた年の謎のVTRの正体は、他団体の選手の新日参戦でした

 

2020年のマスター・ワトのケースがイレギュラーと考えると、今回の謎のVTRの正体は海外遠征中の新日本の選手の確率は低いということになります。

そして、新日在籍選手ではなく他団体からの参戦の可能性が高く、「レスリングどんたく」で正体が明らかになる確率が高いでしょう。

果たして、謎のVTRの正体は誰なのか。

「coming soon」から「soon」に変わったということは、まもなく正体が明らかになります。