昨日のブログで、今の鈴木みのるに“あるもの”が足りないと書きました。
新日本のベルトとは別に、鈴木軍に絶対必要なものです。
以前は確かにあった。
しかし、今は無い。
“あるもの”とは一体何なのか?
一番象徴的な試合で説明したいと思います。
3・6旗揚げ記念日大会
IWGPインターコンチネンタル選手権
鈴木みのる vs 真壁刀義
真壁刀義と言えば、プロレスファン以外にも認知度が高く、本隊に所属する最も人気があるレスラーの1人です。
試合が始まれば、圧倒的に真壁コールが多いんだと思っていました。
しかし、実際のところほぼイーブン。
むしろ鈴木みのるへの歓声の多いんじゃないとかと思えるほどです。
試合は2人だからできる殺伐とした殴り合い。
華麗とは無縁な、いわゆるシバキ合いの試合でした。
パイプ椅子攻撃で膝を痛めてからは、殆ど鈴木みのるのペース。
観客も明らかにみのるの攻撃に歓声を上げています。
最後は圧倒的なパフォーマンスで勝利した鈴木みのるに、観客も満足げです。
試合後のマイクパフォーマンスでも、鈴木みのるへの歓声が多く見られます。
ヒールレスラーなのにです。
ここまで説明したら、“あるもの”が何なのか分かりましたでしょうか?
そう…
ブーイング
昨年の1・5 NEW YEAR DASHで新日本に突如現れた鈴木軍。
当初はダーティーファイトでタイトルマッチを制し、会場もブーイングだらけ。
当時の鈴木みのるにはヒールレスラーとしての恐さと、外敵としてのポジションが確立していました。
では、現在はどうでしょう。
年齢を感じさせない動きと強さを兼ね備えたみのるは、ファンを魅了し始めました。
実際、真壁とのタイトルマッチもブーイングをかき消すほどの歓声があり、これではヒールレスラーとは言えません。
試合後のマイクパフォーマンスでも、みのるが何を言おうと歓声か笑い声ばかり。
ヒールでも人気があることは良いことではないか?
勿論、ヒールレスラーだって人気は欲しいです。
しかし、それ以上にヒールレスラーとして生き続けるためにブーイングが必要で、観客を震撼させたいはずです。
完全なヒールレスラーは、一生ヒールレスラーで生きなければならない。
ヒールレスラーとはそういう職業なのです。
バレットクラブ内で、ケニー・オメガと敵対するcodyがいい例です。
ROH合同興行2daysでは、終始激しいブーイング。
そしてcodyもヒールレスラーを全うしました。
あの日、ゴールデン☆ラヴァーズの完全復活を後押ししたのは誰でしょう?
オカダも内藤もいない後楽園ホールを超満員に膨れさせたのは誰でしょう?
codyという悪役がいたから、ゴールデン☆ラヴァーズを最大限に輝かせることができました。
今後鈴木軍は、他ユニットが持つベルトをどんな手を使っても手に入れようとすることでしょう。
また、手に入れたベルトをなんでもありで死守することでしょう。
卑怯な手を使うほど、介入があればあるほど、ブーイングは確実に復活することでしょう。
鈴木みのるが望む景色は…
青ざめた表情と絶望の眼差し